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ウェルカムラフト・アーバン2:東京スカイツリーを中心とした河川回遊性の検証

ウェルカムラフト・アーバン2:東京スカイツリーを中心とした河川回遊性の検証

日程:2012年7月16日(月・祝)

時間:10時~14時

場所:東京都江東区、江戸川区、墨田区(旧中川、北十間川)

会費:3,000円(保険代、昼食代)

内容:→実施概要

朝の段階で30度を超す暑い幕開けとなったウェルカムラフト8は3日目に突入した。この日のスタート地点は東京都江戸川区の大島小松川公園だ。 江東区と江戸川区にまたがり間を旧中川が流れるこの広大な公園では野球やサッカー、テニスからボート競技まで幅広くスポーツや各種アクティビティが体験できる東京都東部エリアのオアシスとなっている。

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東大島の駅に集合したのは6人。メンバーは、3日連続で参加の市川、トミタさんに加え、木村くんが復帰、期待の現役学生ワクイくんも参加。ラフティングは久々のモナさんに、3月の大岡川でのウェルカムラフト・アーバン以来の参加となるソノコさんだ。ボート1艇でぐるりと東京の運河を回るにはベストな人数である。 ボートが出艇する場所では、主催者市川が所属していた冒険部の大先輩である後藤さんに、レクチャーしていただいた。近所にお住まいの後藤さんはカヤックで何度もスカイツリーまで行っている。この日は風が強く、後藤さんのアドバイスもあり、当初予定していた小名木川ルートではなく、旧中川を北上する逆走ルートに変更してスタートすることになった。

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天気も良く、絶好のラフティング日和となった。こんなに日に限って飛び込みたい川は、まだまだそれに値しない都市河川であった。 風が後押しして川を遡っている内は非常にスムーズに進んでいた。川の両岸で釣りを楽しむ親子や、行き交うカヤックやカヌーの方々と挨拶を交わし、進んでいくと次第に巨大なスカイツリーが前方やや左に姿を現した。 開始10分で姿を現したスカイツリーに皆一斉にiPhoneを取り出す。天気が良いのでくっきりと見えた。

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川はこの後旧中川から、北十間川へと進路を変えることになる。蔵前橋を潜り抜けると進行方向左手に、細い運河が姿を見せた。 恐る恐るボートを漕ぎ進めていくと、平成の世とは思えない空間が広がっていた。両岸にはうっそうと木々が生い茂り、役目を終えた木製の橋げたが何本も顔を見せていた。そんな木々の中で釣りをしている方々とも遭遇し、「左岸にはアオダイショウがいるから気をつけろ!」とアドバイスをもらう。ラフティングを長くやっているが、蛇に注意しろと言われたのは初めてだった。

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そんな時代に取り残されたかのような空間を後にすると、急ピッチで護岸工事が進むエリアに。ここではスカイツリー開業に合わせて遊歩道を一気に整備しようという東京都の意気込みが見て取れた。スカイツリーも目前に迫っている。 工事中だということがわかる巨大なクレーン船にも遭遇し、ボートと幅がスレスレの水路を進む。このクレーン船で整備された後の護岸には、柵がかかり、あずま屋やベンチが整備され、気ままに休む人々の様子が見て取れた。

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風は相変わらず強く、真横から吹き付けてくるので、直進するのは一苦労である。それでもジワリジワリと漕ぎ進めていくと、次第に辺りが賑やかになってきて、最後に架かる京成橋をくぐると、出た!!根本から634mのゲイン塔てっぺんまで、ついに見上げることができた。道路よりも低い位置に川面が位置しているため、その高さは1、2mほど高く感じることだろう。

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話題のショッピングスポット「東京ソラマチ」の前を通過すると、ここから先は手漕ぎボート進入禁止の標識が出たので、本日はここで一旦休憩となった。ノンアルコール飲料で乾杯し、用意したおにぎりをほおばる。適度な風と心地よく揺れる船上、見上げればスカイツリーという絶好のロケーションで食すと、おにぎりも格別なものに感じるのである。

ここまで日陰といえば橋の下くらいだったコースで、照りつける日差しで皮膚に大きなダメージを追うメンバーも。 川に飛び込みたくなるなるが、川を覗くと気が引けてしまう。いつかここでも夏の暑い日くらいは飛び込めるようになればなあと、日焼けが火傷になりかかっている木村くんを見ながら思った。 軽食を済ませ、一行は来たコースを戻ることに。現状ではソラマチ前までしか手漕ぎボートは進入できないが、近い将来隅田川へと通じるルートが開拓されれば、河川ルートの回遊性は格段に高まるだろう。

北十間川から十間橋をくぐり、進行方向右手にコースを変えると、そこからはまっすぐに伸びる運河が広がっていた。隅田川や荒川と平行して流れる横十間川だ。この川は江戸時代に建造され、同じく江戸時代に作られた小名木川へと垂直に合流する。 本来の計画であれば、この小名木川と合流したかったのだが、この日はとにかく風が強く、頑張って漕いでも、休んでいる間に元いた場所まで押し戻されてしまう始末。 ラフティングボートの欠点がクローズアップされた結果になったので、仕方なく横十間川沿岸でボートを引き上げることができる場所まで頑張って漕ぎ進み、3日目のリバーツーリングは終了となった。

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▼その他の写真はウェルカムラフトのfacebookページへ!

→ウェルカムラフト8「ap raft fes '12」/3日目の写真

スタートからずっと照らされっぱなし、漕ぎっぱなしで、3日間中最もハードなツーリングとなったのは、3日間フルで参加した冨田氏が一番実感するところだろう。ボートを乾かし、錦糸町でこの日は打ち上げをした。途中参加の安藤さんを交え、最後は両国で解散となった。 3日連続で開催した今回のウェルカムラフトは、厳密に言うと初めてラフティングを経験する人は少なかったものの、誰しもが、ラフティングを通して初めて経験する何かを感じ取ることができたのではないか。霧の中のラフティングやいつもと違った下流コース、東京の新名所に川からアプローチするといった、自然、都市の両エリアでラフティングの可能性を広げることができたと思っている。 まだまだ、至らない点は多いが、改善に改善を重ね、今後も両エリアで河川の有効活用を訴えながら「ウェルカムラフトの輪」を広げていきたい。(了)

3日目のコース(大島小松川公園~東京スカイツリー)


より大きな地図で ウェルカムラフト8【3日目】 を表示

NPO法人もう一つのプロジェクト

「世界を1mm動かす。」

「もう一つのプロジェクト」は、「ゴミ拾い駅伝」、「ウェルカムラフト」、「もう一つのメディア」、「もう一つのトラベル」、それに更なる可能性と余白の追求を続ける「もう一つの事業」を手掛ける複合事業型NPOです。単一の分野にとらわれず、様々な社会的な問題を、もう一つの切り口から解決に結び付けていきます。2005年12月発足、2011年12月より特定非営利活動法人(NPO法人)